Yamamura House Japan 1924 [Yodoko Guest House]

 1924年完成のこちらの建物は今から約90年ほど前(設計は1918年)、アメリカのフランク・ロイド・ライトによって兵庫県芦屋市で設計されました。

当時の日本は大正時代の後半(前年の1923年は東京が関東大震災にみまわれた年です)、また1929年には世界恐慌がはじまり、大きな戦争がはじまっていきます。その5年前、まだまだ外国の文化を旺盛に吸収し日本経済が発展していこうとしていくなかこちらの建物は完成しました。建設は、灘の酒造家八代目山邑太左衛門の別邸として建てられ現在は、ヨド物置で有名な「株式会社淀川製鋼所」 の迎賓館として大切に保存されています。

 

 フランク・ロイド・ライト(1867年-1959年)は、設計を志した人であれば必ず知っている名前であり数ある作品は、その多様性と普遍性から今なおその影響力を世界中の建築家に残しています。当時ライトの設計は、それまであった建築のどの系統にも属さず完全オリジナルでした。その大きな特徴は、「有機的」に建物をとらえ建物の建つ自然の風景に溶け込むように考えるからこそ、その場所地域ごとのオリジナルが完成したと言われています。

 

 そういった視点でこちらの淀鋼迎賓館を見ると山の斜面に張り付くように建ち2階建てに見えていて実は、4層の構造になっているところや水平な屋根が丘の上に自然に溶け込んでいるかのように感じられることがわかります。今は多くの木々に囲まれ外壁の色と緑が陰影を深めますが建築された当時は、廻りの山々に木々は少なく土が見える山に建っていたそうです。それを遠くから見ると外壁の色は風景に溶け込み水平ラインに彫られた彫刻と窓が美しいコントラストを描いたいたことでしょう、山の上に建つ邸宅の風景が目に浮かんできます。

淀鋼迎賓館(旧山邑邸)

〒659-0096 兵庫県芦屋市山手町3-10

 

無料駐車場/乗用車7台 中型バス2台

阪急芦屋川駅から北へ徒歩10分。

JR芦屋駅から北西へ徒歩15分。

http://www.yodoko.co.jp/geihinkan/index.html

 

[開館日]

水・土・日曜日と祝日

年末は12月28日(日)迄開館しております。

新年は  1月7日(水)からの開館となります。

[開館時間]

10時~16時(入館は15時30分迄)

ライトは、1919年着工の旧帝国ホテルの設計を任され日本に来日していた時この建物の設計を行っています。帝国ホテルの設計契約は1916年のことなので共通する素材や意匠も見られますが、まったく違う建物に見えます。日本でライトが設計した建物は12件といわれています。

 

①旧帝国ホテル     東京  1912年

②アメリカ大使館      東京  1914年

③帝国ホテル別館    東京  1916年

④林愛作邸         東京  1917年

⑤小田原ホテル     小田原 1917年

⑥福原有信邸      箱根  1918年

⑦井上匡四郎子爵邸   東京  1918年

⑧三原邸        東京  1918年

⑨映画劇場       東京  1918年

⑩旧山邑邸(ヨド鋼迎賓館)芦屋  1918年

⑪後藤新平男爵邸    東京  1921年

⑫自由学園明日館    東京  1921年

 

この中で現存する建物は、こちらの淀鋼迎賓館と自由学園明日館の2棟のみで世界的にも大変貴重な建物です。(旧帝国ホテルは玄関エントランスの一部が愛知県の明治村に移築されました。)

 

機会がありましたらぜひご覧いただくことをオススメいたします。

写真撮影日2007年5月4日 筆者撮影